Raspberry Pi 5で始めるシングルボードコンピュータ入門【2026年版】OSインストールからGPIO Lチカ・NVMe活用まで

Raspberry Pi 5で始めるシングルボードコンピュータ入門【2026年版】

Raspberry Pi 5は、手のひらサイズの基板1枚でLinuxが動くシングルボードコンピュータ(SBC)です。キーボードとディスプレイをつなげば普通のパソコンのように使え、GPIOピンを介して電子工作やIoT機器の制御もできます。本記事では、OSの書き込みから初回設定、GPIOでのLチカ(LED点滅)、NVMe SSDでの高速化まで、2026年時点の最新情報で一気通貫に解説します。マイコン単体から入門したい場合は、先にラズベリー・パイ Pico 2で始めるマイコン入門もあわせてどうぞ。

目次

Raspberry Pi 5とは?2026年のラインナップと選び方

Raspberry Pi 5は、Broadcom BCM2712(64bit Arm Cortex-A76 クアッドコア・最大2.4GHz)を搭載し、前世代のPi 4から処理性能・I/O帯域が大きく向上したモデルです。GPUはVideoCore VII、周辺I/Oは自社設計のサウスブリッジ「RP1」が担い、USBやGPIOの応答性が改善しています。主な仕様は次のとおりです。

  • メモリ:LPDDR4X-4267を採用し、1GB/2GB/4GB/8GB/16GBの5種類から選べます。
  • 映像:デュアル4Kp60対応のmicro HDMI出力を2系統装備。
  • 拡張PCIe 2.0 x1インターフェース(FPCコネクタ)を新搭載し、専用HATでNVMe SSDを接続可能。
  • 接続:USB 3.0×2/USB 2.0×2、Gigabit Ethernet(PoE+対応)、デュアルバンドWi-Fi(802.11ac)、Bluetooth 5.0。
  • その他:電源ボタン、RTC(リアルタイムクロック)用バッテリーコネクタ、SDR104対応microSDスロット。

2026年時点の価格は、エントリーの1GB版が約45ドル、大容量の16GB版が約305ドルです。用途別の目安として、学習やデスクトップ用途なら8GB、ローカルLLMや画像処理などメモリを食う用途なら16GB、省コストで軽量に使うなら2〜4GBが選びやすいでしょう。

マイコンとシングルボードコンピュータはどう違う?

「ラズパイ」と一口に言っても、Raspberry Pi 5のようなSBCと、Picoのようなマイコン(マイクロコントローラ)は役割がまったく異なります。SBCはLinux(Raspberry Pi OS)が動く小さなPCで、Webサーバーやメディア再生、AI推論など汎用的な処理に向きます。一方マイコンはOSを持たず、センサーやモーターをリアルタイム・低消費電力で制御するのが得意です。

本サイトではマイコン側の入門記事も揃えています。用途に応じて、Pico 2(RP2350)Wi-Fi内蔵のESP32STM32M5Stackなどと使い分けると、電子工作の幅が広がります。

用意するもの(2026年版)

Raspberry Pi 5を快適に動かすために、最低限そろえておきたいものは次のとおりです。

  • 本体:用途に合ったメモリ容量のRaspberry Pi 5。
  • 電源:公式推奨は5V/5A(27W)のUSB-C PD電源。USB機器を多用するなら必須です。
  • ストレージ:A2規格の高速microSD(32GB以上)。SSD起動を狙うならNVMe SSD+PCIe用M.2 HAT。
  • 冷却:Pi 5は発熱が大きいため、公式アクティブクーラーまたはファン付きケースを推奨。
  • 映像・入力:micro HDMI–HDMIケーブル、キーボード、マウス、ディスプレイ(ヘッドレス運用なら不要)。

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Raspberry Pi OSをインストールする(Raspberry Pi Imager)

OSの書き込みは、公式ツール「Raspberry Pi Imager」を使うのが最も簡単です。手順は次のとおりです。

  1. PC(Windows/macOS/Linux)にRaspberry Pi Imagerをインストールする。
  2. Imagerを起動し、デバイスに「Raspberry Pi 5」を選ぶ。
  3. OSに「Raspberry Pi OS(推奨)」を選ぶ。2026年時点の最新安定版は、2025年10月に公開されたDebian 13ベースの「Trixie」です。
  4. microSDまたはSSDを選び、書き込み前の「詳細設定(歯車アイコン)」でホスト名・ユーザー名・パスワード・Wi-Fi・SSHを事前設定しておくと、ディスプレイなしのヘッドレス運用もスムーズです。
  5. 「書き込む」を押して完了を待つ。

初回起動と初期設定

書き込んだmicroSD(またはSSD)を挿し、電源を接続すると起動します。デスクトップが立ち上がったら、まずパッケージを最新化します。

sudo apt update
sudo apt full-upgrade -y
sudo reboot

細かな設定はsudo raspi-configから行えます。ヘッドレス運用の場合は、事前設定で有効にしたSSHを使い、ssh ユーザー名@ホスト名.localで別のPCから接続できます。

GPIOでLチカ:gpiozeroで最初の電子工作

SBCの醍醐味はGPIO制御です。LEDと抵抗(330Ω程度)をGPIO17とGND間に接続し、Pythonのgpiozeroライブラリで点滅させてみましょう。

from gpiozero import LED
from time import sleep

led = LED(17)          # GPIO17に接続したLED
while True:
    led.on()
    sleep(1)
    led.off()
    sleep(1)

Raspberry Pi 5ではGPIOをRP1が管理しているため、従来のRPi.GPIOではなくgpiozero(バックエンドはlgpio)を使うのが推奨です。Raspberry Pi OSには標準で導入済みなので、上記コードをblink.pyとして保存しpython blink.pyで実行するだけで動きます。

PCIe・NVMe SSDで高速化する

Pi 5の目玉のひとつがPCIe 2.0 x1インターフェースです。専用のM.2 HAT+を装着すればNVMe SSDを接続でき、microSDより大幅に高速で安定したストレージ環境を構築できます。SSDから起動するように設定すれば、起動時間やアプリの読み込みが体感で速くなります。上位設定でPCIe Gen 3として動かす方法もありますが、動作は自己責任となる点に注意してください。

Raspberry Pi 5でエッジAI・次のステップへ

Pi 5は、専用のAI HAT+(NPUアクセラレータ)やカメラモジュールと組み合わせることで、エッジAIの実験機としても活躍します。マイコンで動かす軽量AIについてはエッジAI・TinyML完全解説が、こうしたデバイスを支えるプロセッサの潮流についてはRISC-Vが世界市場シェア25%を突破した動向が参考になります。まずは本記事のLチカから始め、センサー、カメラ、AIへと段階的に広げていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Raspberry Pi 5とラズベリー・パイPicoは何が違いますか?

Pi 5はLinuxが動くシングルボードコンピュータで、キーボードやディスプレイをつなげば1台のPCとして使えます。Picoはマイコン(マイクロコントローラ)で、OSを持たずセンサーやLEDをリアルタイムに制御するのに向きます。用途が異なるため、目的に合わせて選びます。

Raspberry Pi 5にはどの電源が必要ですか?

公式には5V/5A(27W)のUSB-C PD電源が推奨されます。手持ちの5V/3A電源でも起動しますが、USB機器を多くつなぐと電流制限がかかることがあります。周辺機器を活用するなら27W電源を用意すると安定します。

Raspberry Pi OSはどのバージョンを入れればよいですか?

2025年10月にDebian 13ベースの「Trixie」が公開され、これが最新の安定版です。Raspberry Pi Imagerで書き込む際に標準で選べます。既存のBookworm環境も当面はセキュリティ更新が続きます。

まとめ

Raspberry Pi 5は、OSインストール・初期設定・GPIO制御という基本を押さえれば、学習用PCから電子工作、エッジAIまで幅広く使える1枚です。27W電源とアクティブクーラー、A2規格のストレージをそろえ、最新のTrixieでスタートするのが2026年のおすすめ構成です。まずはLチカを動かし、少しずつ自分の作りたいものへ近づけていきましょう。

📚 Raspberry Piをさらに深く学ぶ書籍

書名・出版社・発行年は国立国会図書館サーチで確認しています

これ1冊でできる!ラズベリー・パイ超入門(ソーテック社/2026年)

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Raspberry Piの基礎から周辺機器・電子工作まで1冊で通せる定番入門書。最新のPi 5世代でこれから始める人に。

カラー図解 最新Raspberry Piで学ぶ電子工作(技術評論社/2024年)

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GPIO配線やセンサー制御をカラー図解で確認しながら進められる。本記事のLチカから先へ広げたい人に。

拡張基板で広がるラズパイの世界(銀河企画/2025年)

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この記事を書いた人

組み込みエンジニア・IoTエンジニア向け情報メディア「エンジニアGO」の運営者。エンジニアのキャリア・転職・スキルアップに役立つ情報を発信しています。

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