プレスリリース概要
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、スーパー・ジャンクション型のNチャネル・マルチドレインSi(シリコン)パワーMOSFET「STPOWER MDmesh M9シリーズ」および「DM9シリーズ」を発表しました。
発表日:2022年5月20日
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、スーパー・ジャンクション型のNチャネル・マルチドレインSi(シリコン)パワーMOSFET「STPOWER MDmesh M9シリーズ」および「DM9シリーズ」を発表しました。これらの製品は、データ・センター用サーバや5G通信基地局、フラット・パネルTVなど、幅広いアプリケーションのスイッチング電源(SMPS)に最適です。
MDmesh M9 / DM9シリーズ初の製品となる「STP65N045M9」(650V耐圧)および「STP60N043DM9」(600V耐圧)は、いずれも単位面積あたりのオン抵抗(RDS(on))が極めて低いため、電力密度の最大化や小型システムの実現に貢献します。最大オン抵抗は、STP65N045M9が45mΩ、STP60N043DM9が43mΩで、きわめて優れた性能を備えています。また、両製品ともにドレイン電圧400Vにおけるゲート電荷(Qg)が80nC(Typ.)と非常に低く、現在STから提供されている製品において、最高のスイッチング性能(オン抵抗 x ゲート電荷)を備えています。
ゲートしきい値電圧(VGS(th))は、STP65N045M9で3.7V(Typ.)、STP60N043DM9で4.0V(Typ.)となっており、従来製品であるMDmesh M5シリーズやM6 / DM6シリーズと比べ、ターンオン / オフ時のスイッチング損失を最小化することができます。また、MDmesh M9 / DM9シリーズは、逆回復電荷(Qrr)と逆回復時間(trr)が極めて低いため、電力効率およびスイッチング性能の向上に貢献します。
STの最新の高電圧MDmesh技術は、高速の内蔵ボディ・ダイオードを実現する追加の白金拡散プロセスを特徴とし、従来のプロセスよりも高いノイズ耐性(dV/dt)を実現しています。また、MDmesh DM9技術を採用した製品は非常に堅牢で、400Vで最大120V/nsのノイズ耐性(dv/dt)を備えています。
「STP65N045M9」および「STP60N043DM9」は現在量産中で、両製品ともにTO-220パッケージで提供されます。2022年第2四半期末に販売代理店での販売を開始する予定で、STP65N045M9の単価は1000個購入時に約6.30ドルです。2022年後半には、表面実装型パッケージとスルーホール型の標準パッケージンも追加される予定です。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
( https://www.st.com/ja/power-transistors/mdmesh-m9-series.html?icmp=tt26489_gl_pron_may2022 )
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約48,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な独立系総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・5G通信の普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラルの実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。



📌 エンジニア視点での注目ポイント
① MDmesh M9が示すパワーMOSFET技術の最前線
STPOWER MDmesh M9シリーズは、スーパージャンクション構造(SJ-MOSFET)の最新世代として、オン抵抗(RDS(on))と入力容量(Ciss)のバランスを大幅に改善しています。特に「M9シリーズ」はスイッチング損失を従来比で削減しながら電力密度を向上させており、省エネ・高効率が求められる現代の電源設計において非常に魅力的な選択肢です。
② 5G・データセンター市場での重要性
5G通信基地局やデータセンターは電力需要が急増しており、電源効率の向上は事業コスト・CO2排出量削減の観点から重要課題となっています。MDmesh M9の高効率特性は、これらの大規模インフラにおける電源管理の最適化に貢献します。電源回路設計エンジニアにとっては、このような最新パワーデバイスの特性を把握しておくことが競争優位につながります。
③ DM9シリーズ(デュアルMOS)の設計自由度向上
DM9シリーズは同一パッケージに2つのMOSFETを搭載した「マルチドレイン」構成で、実装面積の削減と回路設計の簡素化を実現します。特にブリッジ回路やハーフブリッジ構成の電源に最適で、設計の自由度を大きく高めます。
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✅ まとめ
STマイクロエレクトロニクスのMDmesh M9/DM9シリーズは、高電力密度・高効率・低スイッチング損失を実現した次世代パワーMOSFETです。データセンター・5G・フラットパネルTVなどエネルギー効率が求められる分野での採用が期待されます。電源回路設計やパワーエレクトロニクスに携わるエンジニアは、このシリーズの特性を積極的に評価・検討してみてください。
※本記事の情報は発表日時点のものです。最新情報はST社公式サイトでご確認ください。
🔧 STマイクロエレクトロニクスのパワー製品ポートフォリオ
STMicroelectronicsはパワーエレクトロニクス分野において幅広い製品ラインナップを持っています。MDmesh M9シリーズはその中でもシリコンパワーMOSFETの最高峰に位置します。
設計エンジニアへの選定ガイド:MDmesh M9/DM9シリーズは以下のアプリケーションで特に有効です。
- サーバ電源(ATX・タワーサーバ・ラックサーバ)
- 通信機器用電源(5G基地局・ルーター・スイッチ)
- 液晶・OLEDディスプレイ用電源(フラットパネルTV)
- 産業用UPS・無停電電源装置
- EV充電器・太陽光インバータ
各アプリケーションで求められる耐圧・オン抵抗・スイッチング周波数の仕様を確認し、最適なデバイスを選定することが重要です。STのMOSFETセレクションガイドやSPICEモデルを活用することで、シミュレーションを通じた事前評価が可能です。
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