「AIに仕事を取られた」と気づいた日、僕は36歳だった

「田中さん、例の仕様書レビューなんですけど、GPT-5にやらせたら30分でできました。ありがとうございました」

2025年の秋、そのSlackの通知を見たとき、僕はコーヒーカップを持つ手が止まった。

田中とは僕のことだ。36歳、SIer歴12年のバックエンドエンジニア。その仕様書レビューは、いつもなら僕が2〜3時間かけてやる仕事だった。後輩の松本くんは悪気がまったくない。むしろ「効率化できてよかった」と思っている。それがわかるから、余計に刺さった。

「あ、俺の仕事、もうAIがやれるんだ」

目次

「AIに強い」と思っていた自分の勘違い

正直に言う。僕はそれまで「AIを使いこなしているエンジニア」のつもりだった。

ChatGPTは毎日使っていた。コードの補完、ドキュメントの要約、英語メールの翻訳。社内でもたまに「AI使うといいですよ」と口にしていた。

でも、あのSlackが来るまで気づいていなかった。僕が「AIを使っていた」のではなく、「AIに補助してもらいながら、従来の仕事をしていた」だけだった。

AIに仕事を奪われるエンジニアと残るエンジニア。よく聞くフレーズだが、他人事だと思っていた。SIerで12年もやってきた、業務知識も豊富だ、そう思っていた。

でも松本くんはその日、AIに「俺の強み」を渡してしまったのだ。

転機は「自分の仕事を書き出す作業」だった

そこから2週間、僕はある作業を続けた。自分の1週間の業務をすべて書き出して、それをAIに「これはAIにできますか?」と聞き続けたのだ。

結果は壊滅的だった。

業務 AIに代替可能か
仕様書レビュー ◎ 可能
バグ修正のログ調査 ◎ 可能
週次進捗レポート作成 ◎ 可能
社内向けAPI設計書の作成 ○ ほぼ可能
新規メンバーへの技術説明 △ 補助可能
顧客との要件定義MTG △ 補助可能
チーム横断の調整・根回し × 難しい
自社業務ドメインの判断 × 難しい

書き出してみると、僕の仕事の60〜70%はAIに代替可能だと気づいた。

これが恐怖なのか、チャンスなのか。最初はわからなかった。ただ、「現実を正しく見た」という感覚はあった。

「使われる側」から「使う側」への転換

ここで僕がやった選択は、転職でも副業でもなく、「AIを使って生産性を2倍にする実験」だった。

具体的には3つのことをした。

① AIに仕事を「委任」する仕組みを作る

ただAIに投げるのではなく、「プロンプトテンプレート」を社内で整備し始めた。仕様書レビュー用、バグ調査用、議事録作成用。最初は自分だけのためだったが、気づいたらチーム内で使われるようになった。

そこで初めて気づいた。「AIを使いこなすエンジニア」は、技術力ではなく「どんなアウトプットが必要かを言語化できる力」が本質だと。

② 「AI単独ではできない仕事」に時間を集中させる

顧客との要件定義、社内の根回し、業務ドメインに基づく設計判断。これらに使える時間が、AIへの委任によって週に10時間以上生まれた。

最初の3ヶ月で、担当プロジェクトの工数見積もり精度が改善された。感覚ではなく、AIに過去のログを分析させて根拠ある数字を出せるようになったからだ。

③ 「AIで何ができないか」を学ぶことを仕事にした

逆説的だが、AIの限界を知ることが一番の武器になった。「これはAIには無理です。なぜなら〜」と説明できると、上司も顧客も信頼する。

半年後、何が変わったか

転職はしていない。会社も変わっていない。でも、評価は変わった。

半年後の評価面談で、上司から「田中さんのチームだけ生産性が突出している」と言われた。給与は年収ベースで+80万円のベースアップ。同じ会社で、同じチームで。

副作用もあった。後輩の松本くんが「田中さんみたいになりたい」と言い出したことだ。皮肉だ。あのSlackが転機だったのに。

AIに「奪われるエンジニア」と「残るエンジニア」の本当の違い

僕が半年で気づいたことを正直に書く。

奪われるエンジニアの特徴

  • AIを「怖いもの」として距離を置く
  • 今の仕事のやり方に固執する
  • スキルを「技術の深さ」だけで測る

残るエンジニアの特徴

  • AIを「部下」として扱う(感情なしに指示できる)
  • 「自分がいなくてもできる仕事」を積極的に手放す
  • 価値を「判断力」と「言語化力」に置く

技術力がゼロでいいとは思わない。でも、「技術をわかった上でAIを使いこなす人」が最強だと身をもって学んだ。

AIが変えた「転職市場」のリアル

2026年現在、転職市場でも変化が起きている。

僕の友人が大手IT企業の面接官をしているが、「AIを使った経験を具体的に話せる人は即採用レベルで評価が高い」と言っていた。逆に「AIは怖くて使っていません」という候補者は、年齢に関係なく評価が下がるそうだ。

今からでも遅くない。転職を考えているエンジニアなら、転職活動と並行して「AIを使った実績」を作ることを強くすすめたい。

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今日からできる1つのこと

自分の1週間の業務を書き出して、AIに「これはできますか?」と聞いてみてください。

恐怖かもしれない。でも、知らないまま5年過ごすより、今日30分使う方が100倍マシだ。

松本くんのSlackが来た朝、僕は恐怖を感じた。でも今は感謝している。あのメッセージがなければ、気づかないまま同じ場所に立っていたと思うから。


📱 30秒で読めるツイートまとめ

▶ 36歳エンジニアが気づいた現実:自分の仕事の70%はAIに代替可能だった。でも「AIに委任する仕組み」を作ったら+80万円のベースアップ。奪われるエンジニアと残るエンジニアの違いは技術力じゃなかった。#エンジニア転職 #AI時代

▶ AIに「使われる側」から「使う側」へ。鍵は「判断力」と「言語化力」。今すぐできること:自分の業務を書き出してAIに「これはできますか?」と聞いてみる。それだけで現実が見える。#エンジニア #キャリア

▶ 転職市場でも変化あり。「AIを使った経験を具体的に話せる人」は即採用レベルの評価。年齢関係なし。今日からAIで実績を積む行動を始めよう。#IT転職 #エンジニアキャリア


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